’10・ 浅間山(前掛山)登山


〜 車坂峠 − トーミの頭 − 草すべり− 火山館− 前掛山 〜
(ピストン)
'10/05/22



  先週はGWの疲れを取る為に家でのんびり過ごしたので、今週末は早くからお出かけモード。
高速は1000円効果で日曜の帰りがいつも大渋滞。
土曜の日帰りで、まだ登ったことのない、登り応えのある百名山を早速リサーチ。

 ・日光白根山(2578m) ・男体山(2486m) ・四阿山(2354m) ・浅間山(2568m)

他の人の山行記ブログ、ツイッターを見ると、日光白根、男体山は今年は残雪が多くてピッケル、アイゼンが必要とのこと。
俺らは雪山やらないので、軽アイゼンしか持ってない。
必然的にその2山は没。
次に浅間山を調べてみると、先月17日に噴火警戒レベルがレベル1(平常)に下げられ、それまで噴火口から2Kmは立ち入り禁止だったが、500mまで入れるようになり、内側の外輪山である前掛山(2524m)まで登れるようになった。
これは行くしかないでしょう!! (^o^)
いつまた警戒レベルが上がるかもしれんし。
ってことで、浅間山に決定!!


グーグルマップの写真で見るとすごい迫力だわ。(@_@)
グーグルマップ浅間山

 

カシミール3Dでコースを検討。

 

車坂峠から前掛山までのピストン。
いや〜、断面図で高低差を見ると、外輪山からの草すべりの下り登りがすごい。やばいでしょう。(@_@)
累積標高差は1200m。
登り下り一辺倒だとまだマシだが、登って下っての繰り返しはかなりキツそうだ。

 

22 :45
横浜自宅を出発。
環八、関越道、上信越道を乗り継ぎ、小諸I.C.で降りる。

01: 30
車坂峠駐車場に到着。

 

 

6:00
車坂峠からスタート。

登山口には火山レベル警告板と、ルート案内図が設置されている。
まずこれから向かう外側の外輪山(黒斑山)から太陽が顔を出す。

 

 

車坂峠から黒斑山へは表コースと、中コースの2コースある。
俺らは行きは眺めの良い表コースから登り、帰りに中コースを使うことにした。

しばらくは芽吹き始めた唐松林の中を行く。

 

 

朝日を浴びる唐松の新芽。
普段見る松は常緑樹でいつも緑の細長い葉を伸ばしているが、唐松は落葉樹。
春にはこうやってかわいい新芽から育ち、秋には黄金色になってハラハラ舞い散る綺麗な落葉が見られる。
新芽をまじまじと見ることはなかなかないね。(^^ゞ

途中体の冷えからか、思わぬ腹痛に見まわれる緊急事態発生。
木々を掻き分け、誰の眼の届かない場所へスクランブル突入。
周りの木々達よ、肥やしにしてよ〜く育ってくれよ〜。(^^ゞ

 

 

07:20
赤ゾレの頭に到着。

目の前にきれいなコニーデの浅間山が現れた。
山頂からはうっすら白いガスが上がっている。
うっひょ〜。これは大迫力。

トーミの頭に向かう。

 

07:30
トーミの頭に到着。

北に連なる浅間外輪山の尾根。
すぐ下にこれから下る草すべりコースが見える。

 

 

07:50
草すべり降下スタート。

笹原の急斜面を、あっち行き、こっち行き、スイッチバックの様に降りて行く。

 

 

下りる下りる。一気に下りる。
カルデラの底までは約300mの標高差。
これストックがないと、厳しいです。

 

 

足踏み外したら底まで一気に笹原を滑落です。まさに草すべり。
かなり足に負担がかかります。
これを浅間登った後に、帰りに登り返すのか〜。ヒエ〜。(-_-;)
考えたくもない。

 

 

大分下りてきたぞ。
この景色って去年秋に行った北海道大雪山の高原温泉から見た高根ケ原に似てる。

参考:’09・秋 北海道 大雪山&道東の旅

 

 

09:00
火山館に到着。

小屋の向こうに見える岩山は、さっき通ってきたトーミの頭。
あそこから一気に下りてきたのかー。
帰りはあそこまで登り返しですか〜。ハァ〜。どっと疲れが。。。(-_-;)

25分の大休憩。

 

 

09:25
火山館を出発。

カルデラ内の唐松林を行く。
陽が入らない森の中はところどころ雪が残る。
ザクザクの雪なので、滑ることはない。
踏み固められた足跡を行けば、ツボ足にはならない。

 

 

樹林帯を抜けると浅間山のコニーデはすぐそこ。

 

 

ストックを使ってゆっくりと登って行く。

 

 

火山礫のもろい岩、石を乗り越え、ひたすら登る。
振り返ると、カルデラの向こうにさっき越えてきた外側の外輪山が屏風のように立ちはだかる。
急な下りの草すべりは向かって一番左の笹原です。

 

 

10:45
浅間山の本山である釜山(噴火中)と、内側の外輪山である前掛山との分岐に到着。
ここから釜山へは立ち入り禁止の為、俺らは前掛山へ向かう。
しかし、立ち入り禁止にもかかわらず、約1割の登山者は規制ロープを越えて、山頂に向かって行ってましたわ。
この黄色いザックの女性も、ロープを開けてまさにくぐろうとするところ。
せっかくだから山頂に行きたい、火口を見たい、と言う気持ちもわからなくはないが、万が一を考えるとねー。。。
ガスに巻かれて動けなくなる。救助隊に大迷惑。マスコミ、世間からの大バッシング。運悪く死亡。保険金出ない。
帰ってきてからブログを探してみると、平気で「火口まで行ってきました!」と少々自慢とも思える記事もいくつか見ました。どうなんだか。。。
もし火口まで行ったとしても、俺だったらルールを破ったことを認める記事は絶対公開しませんが。(^^ゞ
まぁ、自己責任なんだからいいけどネ。

 

 

俺らは迷わず前掛山へ。
正面に立ちはだかる外輪山のピークが前掛山(2524m)。
火山ならではの荒涼とした景色が広がる。

 

 

10:50
避難シェルターに到着。

前掛山はすぐそこだが、その前に昼飯を食べることに。
早速バーナーで湯を温め、サッポロ一番を食らう。

 

 

前掛山へ向かう登山者が見える。
ピークまではここから15分ほどか。

11:40
避難シェルターを出発。

登り始めて5分。俺の右太ももにピキッと言う痛みが。 やべー。つったー。(>_<)
しかもシーズン始めで、サロメチも忘れた。前掛山頂まで10分ほどなのに、諦めるか!?
座って10分ほど足を伸ばしてると、なんとか回復。
しかし、いつまでもつか不安。しかも帰りはあの草すべりの登り返しだぞ。

去年もシーズン始め、2つくらいの山でつったことがある。
原因はスキーシーズン終了後から、山シーズン始まりまでの1ヶ月半の運動不足。
徐々に慣れて、つらなくなるが、例年原因が分かってるのならなんとかしたいと思うだけ。(^^ゞ

 

 

ゆっくり歩き始める。
助かったのは山頂までずっと砂地で、岩、石がなかったこと。
その為、大きく足を持ち上げる必要がなく、摺り足で行けたってこと。

火山特有の赤い山肌を行く。
前掛山頂部は火口からのガスがうっすら包み、ややもやっと霞んで見える。

 

 

左に浅間山本山の釜山を見ながら進む。
あの山頂に噴煙上げる大きな火口が口を開ける。
風向きにより、白い噴煙がこちらにも漂ってくる。

この釜山を中心に、今登っている前掛山が内側の外輪山。そして朝登って超えてきた黒斑山がピークの外側の外輪山の二重の外輪山を持つ。

 

 

よく見みると、立ち入り規制を超え、釜山に登った登山者が数人見える。
中には火口をぐるっとお鉢巡りよろしく、周っている人も確認できる。
立っているのは火口壁の上。いつ濃度が高いガスが出るかもわからない。
よく行くもんだ。

 

 

12:00
正午ちょうどに前掛山山頂に到着。

なぜか標識には前掛山でなく、浅間山とある。
現在立ち入ることが可能な浅間山頂に最も近い場所と言うことか。

木も草もまったく生えない荒涼とした山。
2500mぐらいの山では、いつも高山植物が目を楽しませてくれるが、活火山と言うのはこんなに寂しい山なのか。
妻曰く、富士山もこんな感じらしい。
まぁ富士は火山だからと言うより、標高が高過ぎてが理由だろうが。

朝見えていた北アルプス、中央アルプス、御嶽、南アルプスだったが、10時頃から霞み始め、山頂着く頃には全く見えず。
かろうじて八ヶ岳と隣の四阿山、志賀高原の山々だけが見えてました。残念。(T_T)

 

 

12:20
下山開始。

太ももが心配ではあったが、足を持ち上げる登りと、踏ん張る下りでは使う筋肉が違うので、下りは何とかもってくれそうだ。
遠くに見える草すべりの登り返しが不安だ。(@_@)

 

 

13:50
草すべりの取り付きに到着。

これからあの岩の上まで、えげつない登りの始まりです。
もってくれ〜、足。

 

 

さっき一度下りてきているので、大体のコースの急度は把握済み。
その予備知識があるからまだ気が楽。
これストックないと、ホントきついです。

何とか足も行けそうだ。
ここも前掛山山頂登りと同じく、岩、石がない。
笹原を足を持ち上げずに摺り足で登れるので、太ももへの負担はかなり少ない。

 

 

草すべりをヒ〜ヒ〜言いながら登っていると、目の前をすごいスピードで横切る茶色い物体。
カモシカ君だー。よくこの急斜面をそんなスピードで走れますねー。その足とバランス感覚が羨ましいです。(^^ゞ

 

 

疲れたところに、このカモシカ君は癒しをくれた。
俺らから距離にして約20m。全く気にすることなく、無心に新芽を喰んでいた。

おっぴろげ〜。(~o~)

15:05
トーミの頭に到着。

いや〜、この殺人的な登り、今まで経験ないです。
約1時間で300mの登り。自信が付きました。(^^)

足はヘトヘト。
30分の大休憩。

帰りは中コースで下山を考えていたが、中コース入り口にはロープが張られ、立ち入り禁止に。
中コースは樹林の中を行くので、恐らくまだ残雪が多く、無理に中道使わなくても表コースで下山してください、と言うことか。
仕方なく朝と同じ道である表コースで下山する。

 

16:50
車坂峠駐車場に無事帰還。

11時間のガッツりな山遊びでした。

帰りの風呂は、ランプの宿高峰温泉に入りたかったが、日帰りは14時までなので諦め、高峰高原ホテルへ。
¥800の割りに、何の風情もないタイル張りの内湯だけ。せいぜい¥500がいいところ。
麓の眺めがいいんだから露天風呂作りましょうよ。もったいない。
まぁ、汗を流せるだけいいか。

帰りの高速は予想通り渋滞ほとんどなし。
スキーシーズン終われば土曜はあまり混むことはなくなった。日曜は半端なく混むけど。

18:30
小諸I.C.入り。

21:40
全く渋滞なく、横浜自宅に到着。

いや〜、久々に渋滞なしで家に帰れましたわ。
これから土曜日帰りだな。


 ’10.05.24記



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