八ヶ岳登山 〜赤岳、阿弥陀岳〜

'09/07/19-20
 
1日目   2日目



7/19(日) 〜1日目〜

 当初、週末三連休は、新穂高、双六、西鎌尾根、槍ヶ岳、南岳、槍平、新穂高の予定だったのだが、天気予報の悪化に伴い、松本側は晴れ予報だったので、燕、大天井、東鎌尾根、槍ヶ岳、上高地へとルート変更した。
しかし、更に予報は悪化。北アルプスは諦め、天気がまだマシな南アルプスの悪沢岳、赤石岳に急遽変更。f(^_^)

南アルプス奥地に行くには、東海フォレストやら、バス乗り換えやら、事前3000円前払いやら、何やら難しいシステムだったはず。
駐車場場所、乗り換え場所、山ルート、小屋場所等、短い時間の中、リサーチ出来るのか?少し不安。
慌ててリサーチすると、中継拠点の山小屋「千枚小屋」が先月火事で全焼し、仮設小屋での営業(飯無し、収容60名で激混み予想)となっているとのこと。
もうこの時点でシューーーンと萎え萎え。↓↓↓(ToT)

美濃戸までの林道を行く
月曜は晴れの予報。ウズウズ。(^^ゞ
我慢できず、出動しちゃった。
行き先は八ヶ岳。
美濃戸から行者小屋、地蔵尾根、赤岳展望荘泊。
翌月曜は赤岳、阿弥陀岳、行者小屋、美濃戸に下山の1泊2日の山行予定。
深夜0時に美濃戸口に到着。
仮眠後、7時に起き、朝食、準備後、ゆっくり8時15分に出発。

美濃戸山荘

ここから本格登山道 俺らは南沢へ
今日日曜は荒れるの承知。小雨の中、上下レインウェアで出発。
9時に美濃戸に到着。
ここまで車で来ればよかった〜。車高低い俺の車、ダートにちょっとビビったんだな。(^^ゞ
まぁいいウォーミングアップだ。
南沢沿いを歩くこと2時間半。11時半に行者小屋に到着。
山頂付近は前線通過の影響で強風で危険とのこと。
行者小屋でランチ後、12時過ぎに展望荘に向け出発。
地蔵尾根はキツかった〜。超急登。(>_<)
しかも2600m越えたあたりから、一気にペースダウン。これ体力不足じゃなく、完全酸欠。
50mほど歩いて休憩の繰り返し。息が上がっちゃって、足が出ない。(+_+)

ところどころ南沢を渡る

森の中を行く
風も半端なく強く。梯子、鎖場はちょっとビビった。
やがて地蔵の頭、八ヶ岳の稜線に出た。
ヤバい。立ってられない。恐らく風速は最大20〜25mはあろうか。霧で視界も50mあるかないか。
気温は7、8℃。風で体感は0℃近い。

行者小屋

ガスに包まれる白樺林

険しい梯子、鎖場が続く地蔵尾根

稜線に出るとお地蔵さんがお出迎え
ザックカバーが煽られる。重心を低く、歩幅を左右に広く歩く。
まだ雨が降ってなかったのが助かった。
先日のトムラウシはこれに加え豪雨。しかも小屋もなし。そりゃ寒さで死ぬわな。
地蔵の頭から展望荘がすぐ近くと言うのが分かってるから俺らは安心だけど、途中で突然これに襲われたらやばいわな。
なんとか赤岳展望荘には13時40分に到着。
 小屋の食堂でヤマケイ(雑誌)を見ながら時間を潰す。
外は相変わらず暴風雨。小屋も揺れる。
よくこんな気象条件で来たな。>俺ら。f(^_^)
それは明日が確実に晴れるのが分かっていたからさ。(^o^)

ここ赤岳天望荘の夕食はすごい。なんとバイキング。
好きなものを好きなだけ、しかも何度もお代わり出来る。
山小屋でこんな豪勢な飯を食えるとは。(^-^)
このチキンのトマト煮が最高美味かった〜。

明日は予報通り晴れますように!!

天望荘のバイキング夕食



7/20(月) 〜2日目〜

 かな〜り神経質な俺。
隣のオッサンの寝息、イビキ。領土侵犯してくる足。換気のない息苦しい空気と暑さ。
やはり俺には小屋は無理だわ。(>_<)
ってか、60代以上のリタイア組は土日じゃなく平日に山に行ってくれ。頼む。
俺らリーマンは土日しか休めないんだ。

何とも言えないグラデーションに、月と金星
夜8時に床に就くも、全く眠れず。時間経つのが遅いこと。
いくら混んでても最低1〜2時間は寝れるのだが、今回は初めて一睡も出来なかった。(+_+)
もう寝るのは諦め、明け方2時過ぎから、トイレ横の窓を開け、ずっと外を見てたよ。

昨夜までの暴風雨は止み、雲が取れ満天の星空が広がる。
天の川も手に取るようにわかる。
山で見る星は密度が濃すぎて、星座確認が難しいほど。
太陽系、更には銀河系での地球の位置関係が立体的によくわかる。ちっぽけな存在なんだな〜。
麓には佐久、清里の街灯りが見え、遠くにはどーんと富士山のシルエットが浮かび上がる。
5合目より上は小屋の灯りと、御来光目指して山頂に向かう登山者の灯りの列が見える。写真では見たことあったが生では初めて見た。

3時半頃から東の空が白み始める。
星輝く漆黒から濃紺、そしてオレンジへと続くグラデーション。それに加え、月と金星がアクセントとなり、感動的な美しさが広がる。
あと2日後に、あの月と、この後昇ってくる太陽が重なるのね。
そう考えると、この景色が更に素晴らしく感じられる。
間もなく夜明け
4時38分、日の出。
雲海の遥か、赤城、武尊の右からの輝き。
今シーズン初の御来光。
昨夜から今朝までの山小屋の苦しみが一気に癒される。
赤岳も名前の通り、赤く染まる。

雲海の向こうに武尊、赤城の山々

御来光

神々しい夜明け

目覚める空
既に出発した人が、ほぼ山頂まで到達している。
展望荘も凄いとこに建ってるが、頂上小屋は更に凄い。ホントてっぺんに建ってるのね。昨日の風でよく飛ばされないもんだわ。

昨日の天気ですっかり三脚を忘れ、岩の上に固定して撮る羽目に。
レリーズだけは何故か持ってきたので助かった〜。

照らされる雲海

横岳と朝日
赤岳モルゲンロート

天望荘のバイキング朝食
5時、すっかり辺りは明るくなり、モーニングショーは終了。
朝食を食べに小屋へ戻る。

朝もバイキングだ。
玉子焼き、ウインナー、千切り大根、味付け海苔、味噌汁、デザート、好きなだけ何度もお代わりできる。
寝不足と昨日の疲れからか、食欲はあまりなし。お代わりもせず、ごちそうさま。
妻はいつもながら朝から元気だ。お代わりに走る走る。
見てるこっちが気持ち悪くなってくる。
6時半、小屋を出発し、いざ八ヶ岳最高峰赤岳へ。
鎖場もあるかなりの急登だが、景色の素晴らしさと気持ち良さで、全く疲れ知らず。
30分程で、アッと言う間に山頂2899mに到着。
ほんの数10分前までは青空だったのだが、急に低い雲が広がり、薄曇りに。
しかし、遠方までの視界はくっきり。
360度の大パノラマが広がる。

赤岳に向け出発

赤岳への厳しい登りが続く

赤岳頂上からの八ヶ岳稜線 遙か諏訪富士蓼科山

北アルプス遠望 左から鹿島槍、五龍、白馬三山
西から御嶽、乗鞍、北アルプス稜線、妙高、浅間、志賀高原、赤城、武尊、日光白根、男体山、金峰、富士山、南ア、中アの峰々。
日本の主な山の7、8割は見えてるんじゃないかな。
そしてここ赤岳から北に、横岳、硫黄、天狗、最北の蓼科山までの八ヶ岳連峰が見下ろせる。

賑わう赤岳山頂
蓼科山は先月登ったばかり。2900mからではさすがに眼下に見える。
今回役に立ったのが今週末の山行の為に買った新兵器。双眼鏡!!
オリンパス10×21 DPC Iってやつ。170gで超軽量。遠くの山から、小鳥までくっきり観察できたよ。
超楽しい。もっと早く買っておけばわよかったわ。
山頂からはこれから向かう阿弥陀岳がすぐそこに望める。一旦250m程下って、150mの登り返し。

20分程山頂からの眺めを楽しみ、阿弥陀岳に向け、岩場の急登を下る。
超楽しいぞ。調子出てきた。
薄曇りだった空も、すっかり回復し、眩しい太陽が。
昨日は全く見えなかった横岳の激しい岩稜と、その向こうの硫黄岳の眺めが素晴らしい。
次回はそっちの稜線を歩くぞ。

富士山遠望

赤岳から阿弥陀岳への稜線 岩場の下り

チョウノスケソウと阿弥陀岳

阿弥陀岳へ登り返す前

権現岳の向こうに南アルプス

阿弥陀岳へ続く登山道

下りてきた赤岳の岩場を振り返る
中岳を越え、阿弥陀岳に取り付く。
直登の岩場が続く。
軍手を付け、三点支持を確実にし、慎重に登って行く。
全身運動の岩場はホント楽しい。登ってる実感が湧いてくるしね。
やばい、これって紐の気配あり?
いや、命掛けたくないので、紐はしません。
鞍部から約40分で阿弥陀岳頂上2805mに到着。赤岳山頂より十分広い。
ここでコーヒータイム。
山で食べる、飲むものは何でこんなに美味いんだろ。
素晴らしい景色をおかずにできるからか。はたまた登りきった満足感からか。

激しい岩稜の横岳

権現岳と遙か富士

大きく聳える富士

北アルプス 立山、剱から白馬まで

北アルプス 穂高から槍の稜線
権現岳越しに富士もまだくっきり見える。
明け方あれだけ見えていた灯り、山頂の混みは容易に想像できる。

山頂から周りの過去に登った山を見てると、当時の苦しみ、楽しさ、ハプニングなど、鮮明に思い起こしてくるね。
そしてまた新たに、あの山かっこいい。待ってろ!って気持ちになるね。
まだまだ登りたい山いっぱいだ。

ハクサンイチゲと戯れる

戯れる その2

阿弥陀岳頂上 向こうは赤岳
10時45分、阿弥陀岳山頂を後にし、下山開始。
下りは美濃戸口に直接下りれる御小屋山ルートを選択。
無難に行者小屋に戻るコースも考えたが、時間に余裕があるのと、登りと同じ道はつまらないとの理由でこちらを選んだ。

下り始めてすぐにえげつない直下りが。
ほとんど整備されてないガレ場にロープだけが垂らされてるだけ。
俺、男は難なくクリア出来るが、足、腕の短い女性はかなりつらい。
当然妻もかなり手こずっている。
コースタイムの倍はかかっただろうか、ようやく一息出来る肩まで下りてきた。

南陵と権現岳

赤岳を振り返る 左肩に今朝出発した天望荘

天望荘ズーム

阿弥陀岳からのえげつない下り

茅野と諏訪湖を眺めながらの下山
麓の町、原村、茅野、諏訪湖を眺めながらの下山。
やがて森林限界内に入り、視界も利かず、永遠森の中を歩く。
虻に追い回されながら、やっと美濃戸口別荘地に到着。
ここから約2kmのアスファルトの舗装が一番足に堪えた。
足の小指の皮が剥け、歩く度に激痛。
まぁ仕方ない。我慢して歩くしかない。
14時半。予定より45分遅れで駐車場に到着。
やっぱ山道がいいよ。もうこの下り道は使わね〜。
今日は予報通り快晴で、素晴らしいご来光から始まり、激しい岩場の楽しい稜線歩きに、日本の屋根一望の最高の眺めまで、大満足の山行であった。
昨日の悪天、小屋の夜の不快感は今日の一日で、すっかり吹き飛んでしまったわ。
やっぱ晴れの山行は最高楽しいですぅ。

帰りは「もみの湯」で、二日分の垢を落とし、きれいさっぱり。
上りの中央道は三連休最終日で35kmの激混み。
渋滞回避の為に明日はお休みなんだな。
今夜の宿は韮崎の「旅籠屋」に決定。
B&B(Bed & Breakfast)で夕食はないけど、二人で約8,400円は安い。
ラブホはタバコ臭いのがダメ。あと宿泊開始時間まで待った後、空きの争奪戦がいや。
旅籠屋は日本全国にあるから、旅先で寄るのにオススメよん。

2009.07.25 記

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