’08・夏 北アルプス・白馬岳登山

'08/08/01-02
 
1日目   2日目



8/1(金) 〜1日目〜

 金曜休暇で3連休にし、前から行きたかった白馬岳に行くことに。
予定は、以下の定番コース。

 1日目:猿倉→白馬尻→大雪渓→白馬山頂→白馬山荘泊。
 2日目:白馬山荘→杓子→白馬鑓ケ岳→鑓温泉小屋泊。
 3日目:鑓温泉小屋→小日向コル→猿倉。

木曜は夜10時半に出発。関越道、上信越道経由で白馬登山口猿倉には深夜2時に到着。
猿倉駐車場は既に8割方埋まっていた。早く出てよかった〜。多分週末は満車だろう。

朝6時起床。朝飯と準備を終え、7時に猿倉を出発。
ちょいと遅いが、今日は約6時間の登りだけ。(^_^)
目指す山頂は遥か彼方に見える。ここからの標高差は1700m。ひょえ〜。自己記録だ。
約1時間で白馬尻に到着。
小屋前はこれから登る大雪渓の準備の人で大混雑。

賑わう白馬尻

白馬大雪渓を行く
俺らも水を補給し、猿倉で買った軽アイゼンを装着。いよいよ白馬名物の大雪渓を登る。
長さ約2Km、幅約200mで日本最大の雪渓とのこと。
アイゼン歩きは初めて。ザクッザクッと爪を食い込ませ登って行く。
メインルートはアイゼン無しでも行けそうだか、遅い人を追い越しする時は横にずれて追い抜くので、その時は付けてた方が安心だね。
大雪原を長い列になって登って行く。
山の上から下りてくる風が雪渓で冷やされ、まさに天然クーラー。
疲れた体を癒してくれる。(^_^)

杓子岳北斜面の天狗菱から時折カラカラと言う岩の転がる乾いた音。落石だ。
それを教える笛の音と、ラークっ!の声にちょっとビビりながら登る。
白馬尻から登ること約2時間。10時半に大雪渓を抜けた。
後ろを振り返ると、まだまだ数珠繋ぎ。アリの行列だね。
ここから山頂までは急登の連続。
標高2000mを超えたのに何だこの暑さは。(*_*)
雪渓の時の涼しさとのギャップが余計に苦しく感じられる。


赤いマーカー上を一列になり登る

振り返るとアリの行列

11時を回り、大休憩のついでに昼飯に。
メンチカツ弁当を食ったんだけど、油っこい上に食い過ぎで、気持ち悪くなり、この後一気にペースダウン。(@_@)
登るに連れ、フウロ、キンバイ、ハクサンイチゲなど高山植物も増え、一面お花畑のところも。
案の定俺らは先に進まない。(^_^;)
徐々に気持ち悪さも治まり、ペースアップ。
山の頂きはさらに近く、空はさらに青く、高度が上がったことを実感。(^o^)
ようやく山頂近くの村営小屋が見えてきた。


天狗菱とヤマユリ

尾根まではあとわずか

お花畑と杓子天狗菱

ハクサニチゲの向こうに村営小屋が見えてきた

杓子岳とほぼ同じ高さに

白馬山荘はすぐそこ

富山、長野県境に建つ要塞「白馬山荘」
足取りも軽く、と行きたいのだが、疲れと空気の薄さからか足が激重。
歩けど歩けど小屋がなかなか近づかない。(*_*)
14時に山頂直下の白馬山荘に到着。
ここから頂上までは15分ほどの距離。
周辺は雲が湧き、近くの旭岳、杓子岳くらいしか見えず。(-_-;)
まずは受付を済ませる。
今夜は6畳に8人とのこと。平日にしては混んでるな〜。(-_-;)
まぁ、ほぼ一人布団一枚だからマシな方だね。
ザックを部屋に放り込み、雲が切れるまで小屋前のテラスでコーヒー飲みながらゴロンと休憩。
まぁ最悪山頂は明日でもいいさ。(^_^;)
やがて16時半になり夕食の時間。
サバミソ煮とガンモ煮、味噌汁の質素な料理だけど、疲れた体に超美味く感じられる。当然ご飯と味噌汁はお代わりしちゃいました。
(T_T)

夕食

夕食後外に行くと、雲が薄くなり、白馬岳から南に続く後立山連峰もうっすらと見えてきた。
早速、登山靴に履き替え山頂へ。
白馬岳は西側は緩やかな斜面だが、東側は一気に切れ落ち、断崖絶壁。
その東側沿いで、見事なブロッケンが現れたよ。(^o^)
去年の北岳でも見たが、それよりはっきりと。
条件整わないと、遭遇出来ないらしいが、俺らは運がいいのか?(^_^)


ガス切れる白馬岳

ブロッケン現る

ブロッケンを右に見ながら歩くこと10分。
白馬岳山頂(2932m)に到着。
徐々に雲が切れ、360度の大パノラマが広がる。
北にはうっすらと日本海、西には劔岳がシャキーンとそびえる立山連峰、南には遥か彼方に槍、穂高、東には南アルプス、八ヶ岳、その向こうに富士山まで。
足下崖下には、今朝登ってきた大雪渓が見える。


白馬岳山頂

手前杓子と奧白馬鑓

雲海が広がる

影白馬

やがて西日に照らされ、雲海上に影白馬が現れた。
きれいな三角形をしている。

これらの眺めがあるから山は止められない。(^o^)

時間は18時半。やがて夕焼け。頭上の羊雲が綺麗に焼ける。


右剱岳、左立山

夕暮れ

白馬トワイライト

小屋に戻り、星が出るまで待機。
やがて闇に包まれ20時に外へ。旭岳の左に麓の街灯かりが。方向的に入善、黒部市街か。
星はうっすらガスがかかり、期待した程の輝きにはならず。
おまけにレリーズを忘れ、最大30秒までの開放しかできず。(T_T)

部屋に戻り、イビキの大合唱の中、就寝。



8/2(土) 〜2日目〜

時間は4時。まだ外は薄暗い。
山小屋の朝はやはり回りの騒がしい音で起きてしまう。
まぁ、各自出発時間が違うので仕方ないのだが。
俺らも4時半に御来光を見に外へ。
今日も予報通り快晴だー。(^o^)
一面の雲海が広がる。雲の中に山がぽつぽつ頭を出し、まるで海に浮かぶ島の様。
高妻山の左から太陽が昇り始めた。
んー、地平線に雲が多く、はっきりと太陽顔を出さず。期待した程ではないな〜。(-_-;)


高妻山左からの日の出

広がる雲海 下の雪渓を昨日登ってきた
5時半に小屋に戻り朝食。準備を整え、6時半に小屋を出発。
今日の予定は、杓子岳を巻き、白馬鑓ヶ岳に登った後下山。途中にある鑓温泉小屋泊の予定。
ただ昼12時までに鑓小屋に着けるようだったら、そのままあと4時間下り、駐車場の猿倉まで下りてしまおう。

朝食

快晴の下尾根歩き

緑が眩しい
見事に晴れ渡り、昨日は遠く感じられた立山連峰も、すぐ近くに見える。
富山市街と富山湾もうっすら見える。
富山の遥か遠方には白山まで。
日本三霊峰(富士山、立山、白山)を一望だ。ナンマイダ〜。(^o^)

リンドウと剱

白馬岳を振り返る
すばらしい天気の下、最高の景色に包まれて、白馬三山を縦走。(^o^)
約1時間で杓子岳分岐へ。山頂へ行くか、スルーしてまっすぐ行くかの分岐。
今回はこの後の鑓ヶ岳もあるし体力温存の為、予定通りスルー。

美しい残雪と立山連峰遠望

大雪渓を見下ろす

雲は秋の気配

左に杓子の山頂を仰ぎ見ながら、ガレ場を行く。
灰色の世界に、所々にピンクの花。
おっと、これは高山植物の女王コマクサじゃん。
人生で初めて見たよ。(^_^)
見た感じ、何故に女王なのか、そこまでの花なのか?(^_^;)


台形をした杓子岳

杓子を超え、鑓ヶ岳へ

高山植物の女王コマクサ

イワギキョウと鑓
やがて杓子と鑓のコルに。一休み入れのんびり写真なんぞを撮ってると、後から迫ってくる超団体。30人以上はいるだろうか。
こりゃやばい。先に行かれた時には追い越すのが大変。
ペースをあげ、足下の花を踏まないよう気をつけながら鑓を登る。

奧白馬岳と手前杓子岳
1時間弱で鑓ヶ岳の山頂に到着。時間は9時ちょい前。
後を振り返ると、今朝出発した白馬山荘から歩いてきた道がよーくわかる。
奥の白馬岳(2932m)、手前の杓子岳(2812m)、そして今立ってる鑓ヶ岳(2903m)。白馬三山走破。
まぁ杓子は山頂行ってないけどね。(^_^;)
南を見ると、手前から天狗、不帰キレット、唐松、五竜、鹿島槍と連なる後立山連峰。さらにその遥か奥に槍、穂高の鋭い峰々。
この景色を眺めながらコーヒータイム。(^_^)

連なる後立山連峰

白馬市街を望む
なんだかんだ大休憩を取ってる間に、団体も山頂へ。
おばちゃん声はどでかいし、よく喋る。一気に山頂は大賑わい。
そうこうしてる間に何やら天気が急変。ホンの20分前まであれだけ青空だったのに、急に黒く低い雲が立ち込め、風も強くなってきた。
近くの山もガスに包まれ隠れてしまった。
山の天気はこれだから怖い。
下界の街はキラキラ陽が当たってるので、これから下る先は大丈夫そうだが。
あまりの急変で、あの団体、休憩もほとんど取らず、先に行ってしまった。
やられた〜。あれを追い越すのは大変だ。(-_-;)
漏れてくる話を聞くと、今日は鑓温泉小屋泊らしい。俺らと同じじゃ〜ん。(*_*)
ってか、見る限り60以降の年輩ばかり。何も週末に来ることないじゃん。あんたらは平日に来てくれよ。リーマンは週末しか休めないんだよ。
この時点で、今日は鑓小屋泊は止め、下まで下りてしまうことに決定。(^_^;)

時間は9時半過ぎ。俺らもガスの中を出発。
さっきまでの景色とは大違い。
こうなれば景色に足を止めることなく、ペースが早い。(^_^;)
あっと言う間に、団体に追いついた。
細い山道なかなか前には出れず。
ようやくガイドさん、悟ってくれて、道端に避けてくれた。


ハクサンコザクラ

チングルマとイワカガミ

ハイペースで大出原まで下りると、一面のお花畑。
チングルマ、イワカガミ、ハクサンイチゲ、リンドウ、フウロ、キンバイ、もうそこは別天地。
俺らは完全に罠に掛り、足止め。(^_^;)
二人とも夢中で撮りまくる。
20分近く居ただろうか。やがて後からワイワイガヤガヤ賑やかな声。
ヤバい。先に進もう。


花落ちたチングルマ

大出原のお花畑
途中、サッポロ一番で昼飯を済ませ、鑓温泉小屋には12時過ぎに到着。
やはり小屋は凄い混雑。
そこにしばらくしてあの超団体が到着。輪を掛けて賑やかになる。
予定通り、宿泊予約はキャンセルし、温泉だけ頂くことに。
あの団体入る前にちゃっちゃと入ろう。
昨日は小屋泊まりだったので、当然風呂なし。
2日ぶりの風呂〜。しかも温泉〜。(^o^)
疲れた体に染みてく〜。ええわ〜。(^_^;)
20分くらいのカラスの行水。でも体は完全回復!温泉パワーか!?
時間は13時。ここから4時間で17時には着けるだろう。
さぁ、もう一踏ん張りがんばるぞぃ。

鑓温泉小屋
鑓小屋すぐ下から約300mの雪渓が。 まさか下りでもアイゼン着けるとは。
温泉で熱った体に、冷気が気持ちいい。
小日向のコルを超え、後はひたすら下る。
17時ちょい過ぎ。予定通り猿倉駐車場に到着。 11時間歩きは流石に足にくる。
帰りは小日向の湯へ行くも、18時までで入れず。(T_T)
せめて19時くらいまではやってくれ。(-_-;)
仕方なくいつもの八方の湯へ。
今夜は豊科泊。


白馬は噂通り、花の山でした。
今回は初めてだったので、定番コースを取ったが、次回は反対の白馬大池側へ下りてみたい。
そして、いずれはキレット越えて、五竜、鹿島槍、爺までの縦走にトライしたい。(^_^;)

2008.08.09 記

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