紅葉の南アルプス・北岳、間ノ岳登山

'07/10/06-07
 
1日目   2日目



10/6(土) 〜1日目〜

 例年だと10月の最初の連休は志賀高原なのだが、今年はつい先日までの高温で、1週間ほど紅葉も遅れると予想し、もっと標高の高い南アルプスは北岳へ行くことにした。
この7月に甲斐駒登った時、向かいにそびえる日本第二位の高峰への憧れってのもあるんだけど。(^_^;)

前日は飲み会だったけど、一滴もアルコール飲まないで8時で速攻切り上げ、9時半に横浜自宅を出発。
芦安駐車場には0時過ぎに到着。

吊り橋を渡って登山口
5時の始発に乗るべく、4時過ぎに起きるも、あまりの眠さで5時まで二度寝。(^_^;)
第二便の5:40のバスで広河原へ。
これが激混みで、俺らは最後部で立ち乗りに。
険しい山をクネクネ。完璧に酔いましたわ。(@_@)
顔面蒼白で吐きそうになったっつーの。幸い朝飯まだだったので、出るもんなかったけど。(+_+)
地獄の1時間を何とか乗りきり、広河原には6時半に到着。

予報通り快晴だ〜。(^o^)
吸い込まれそうな青空に、これから登る北岳もよく見える。待ってろよ〜。
俺の気分の回復を待って、登山口がある吊り橋を渡り、7時にスタート。
登り始めしばらくは、沢沿いの樹林帯をマイナスイオンを浴びながら進む。
ようやく気分もすっきりしてきた。(^_^)

約2時間半で大樺沢二俣に到着。
北岳の有名な岩壁、バットレスが目の前にドーンと立ちはだかる。高さ600mもあるそうな。
中腹から上は紅葉しているが、ダケカンバ(?)の黄色一色で、何か物足りない。
そんなことはどうでもいい。この天気と、これからの本格登りにルンルン。♪

二俣でコーヒー飲もうとコンロを出すも、あれ?マッチがない。
俺も、相方も煙草は吸わないのでライターも当然持ってない。仕方なく水で諦め。(T_T)

沢沿いを行く
ここ二俣は名前の通り、草すべりへ出る右俣、八本歯コルに出る左俣との分岐。
俺らは明日、間ノ岳への縦走なので、今夜は肩ノ小屋泊の予定。必然的にルート的に効率の良い右俣へ。

二俣からは一気に急登が始まる。
やはり最近走り込んでないツケか来た。高い段差超える毎に太股がピキッと、つる寸前。(+_+)
ヤバいので大休憩も兼ね、早目のランチに。(^_^;)

大樺沢の右手に北岳

右俣より草すべりへ
ポカポカ陽気でウトウトしてるといつの間にか二人とも爆睡。
気が付けば30分は寝てただろうか。(^^ゞ

その後、15分くらい登っては休憩、また休憩と、相方に遅れそうになりながらゆっくり登る。
相方、何でそんなにタフやねん。(+_+)
こっちは必死や。

白い三角の山容が美しい甲斐駒

2つのカールを刻む仙丈ヶ岳
13時過ぎにようやっと小太郎尾根に出た。
一気に視界が広がった〜。(^o^)
正面に仙丈ヶ岳、右手に先日登った甲斐駒が迎えてくれる。
更に遥か遠く、八ヶ岳、北アルプス、御嶽、中央アルプスと日本の屋根を一望。
これまでの疲れはどこへやら。夢中でシャッターを押す。(^_^;)
2、30分はいただろか。そろそろ先に進まねば。
ここからは周りの峰山を見下ろしながらの標高3000mの尾根歩き。たまりませんわ。(^o^)

足下の高山植物はところどころ真っ赤に紅葉し、目を楽しませてくれる。

夕陽に照らされる紅葉

標高3000mの肩ノ小屋

賑わうテント場から富士を望む
時間は14時半。ようやく肩ノ小屋に到着。
の〜んびりゆっくりな登りだったので、スタートから7時間半もかかっちゃったよ。
人によっちゃコースタイムにこだわる人がいるけど、俺は景色堪能派。黙々と歩くのだけはもったいない。
今日はさすがに連休初日。一畳二人の寝床スペース。まっ、こんなもんだろう。
小屋すぐ下のテント場も隙間ないくらいの混み様。

幻想的なブロッケンにも遭遇
小屋でライターを買い、ようやく暖かいコーヒーにありつけた。
しばらくして、東遥か遠くに雲の上からひょっこり富士が顔を出してくれた。
今はあの富士に次ぐ二位の高峰にいるんだな〜。目線もほとんど変わらない高さに感じられる。
陽も傾き、雲に何やら虹っぽい丸いオーラのようなものが。これってひょっとしてあれ?ブロッケン?
慌ててシャッターを押したよ。意外と綺麗に撮れてたのでびっくり。
条件に恵まれないとなかなか見れない現象に、登山始めた今年からお目にかかれるとは。(^o^)

5時からの夕食後、外に出るも、雲が出て期待したビューテホーな夕焼けは見れませんでしたわ。(T_T)

星もダメかな〜と、床でウトウトしてたら、外から帰って来たどっかのおっさんが、「いや〜、星がすごい!」とでかい声。
なぬ〜。行くべ!!
三脚とレリーズを持ち、寒風の中、外に出た。
さっきまでの曇は消え去り、降り注ぐ満天の星空。雲かと見間違うくらいの天の川。雲海にうっすらと富士も見える。
富士の左がモヤッと明るい。東京の明かりはすごいわ。
夕方の時点で気温は2、3℃。恐らく気温はマイナスだろう。(+_+)
そんなことも忘れ、8時の消灯近くまで、ずーっと眺めてたよ。(^_^;)


暗闇に富士が浮かぶ

満天の星空と甲府市街の明かり

 明日は間ノ岳まで行って折り返し、17時の最終バスに間に合いそうなら広河原まで下りよう。無理なら北岳山荘泊だな。

明日も快晴とのこと。(^o^)
では、おやすみ〜。(-_-)zzz



10/7(日) 〜2日目〜

やはり山小屋は、周りの人の朝って言うか、深夜の出発準備で起こされる。
まだ2時だぞ!!(-_-;)
結局、それ以降ほとんど眠れず。

5時に出発準備し、朝焼けを見るために外へ。
既に大勢の人が、日の出を待っている。

周りはうっすら白くなり、一面の雲海が広がる。うわ〜、これはすごい。頭上から東地平線に向かって、深い紺からオレンジへと、見たことない美しいグラデーションが広がる。
雲海に浮かぶ富士、そして明けの明星と月。
こんなの見れるなんて運がいい。(^o^)

雲海に富士と月

目覚めるオベリスク

ご来光
そしていよいよ日の出。太陽が頭を出した瞬間、光の線が放射状に広がった。
神々しいまでのこの景色。
あ〜、ナンマイダ〜。いや、違う。今日も一日無事にお願いします、と心の中で祈る。(^_^;)
徐々に富士も照らされ、雲海と朝日のやさしいオレンジが、なんとも表現しようのないコントラストになっている。

照らされる富士

賑わう小屋前
しかし寒い。風が強く、体感気温ははるかマイナス。(>_<)
完全防寒で、朝6時山頂に向け小屋をスタート。
険しい岩山を登り、あっと言う間に小屋ははるか眼下に。
山頂からは何人も下りてくる。ってことは、山頂で御来光を見たってことか。
激寒の中、真っ暗な岩山を登ったのね。俺には無理だ。

小屋から約50分で、日本第二位3193mの北岳の頂に到着。(^o^)
周りの山々全てを見下ろし、素晴らしいパノラマが広がる。

肩の小屋は遙か眼下

日本第二位の高峰北岳山頂

富士遠望
間違いなく、この瞬間は俺らより高いとこにいる人は富士山登っている人だけ。
山頂は意外と広く、20人ほど居たが、全く狭さを感じない。
ようやく風も止み、早速コンロで湯を沸かし、頂でのあったかコーヒーを。うんめ〜!最高〜。(^o^)
小屋に用意してもらった朝飯弁当を最高の景色をおかずに喰らう。贅沢この上なしです。はい。(^_^)
時間は8時前。太陽も高くなり、大分温かくなってきた。
ちょっと長居しすぎたな。さて、そろそろ下りねば。
下るのは登ってきたルートとは反対の南側ルートへ。これから、北岳山荘脇を通り、中白根山を通過し、日本第四位の間ノ岳(3189m)までの縦走だ。(^o^)
山頂からの下りはゴツゴツした岩の急斜面が続く。すれ違う人はみんな辛そうな顔。これ登りはきついだろな〜。
9時ちょい前に北岳山荘に到着。

山頂より間ノ岳、更に南アルプスの峰々

間ノ岳に続く縦走路。途中赤い屋根は北岳山荘

北岳山荘より来た道を振り返る
間ノ岳行って、またここに戻ってくるので、俺のザックをここに置き、荷物は最小限にし相方のザックを持って行くことにした。
往復約3時間半。たっぷり水を補給し、9時過ぎに山荘をスタート。
メジャーな北岳とは違い、ここまで来る人は少ないようで、登山道も譲り合い渋滞することなく、スイスイ進める。
左手に富士、右手に中央アルプスを見ながら、快適な縦走路が続く。(^o^)

南から見た北岳。美しい山容
これまで、縦走路ってものはせいぜい立山の雄山から大汝までの微々たるもの。
本格的なのは今回が始めてなので、天気と景色も手伝い、アドレナリン出まくり。(^^ゞ

相方のザックを背負ってたんだけど、途中肩が食い込む感じで激痛になり、やたら疲れるように。(+_+)
相方にお願いしましたわ。
やっぱ体に合ったザックの重要さを感じたね。
予定通り10時半に間ノ岳に到着。
ここから南側は静岡へと続く南アルプス。
農鳥、塩見、悪沢、赤石と、初めて見る山ばかり。
いつかはずーっと縦走してみたい。

山頂には7、8人ほどで、とても静か。
帰りの水と食料を減らすべく、ちょっと早いけど昼ごはんに。(^o^)


日本第四位の高峰間ノ岳山頂
早速湯を沸かし、ラーメンをゆでる。3000mで喰らうサッポロ一番しょうゆ味は最高だわ。
山にはカップ麺より袋麺だな。ゴミがかさばらないのでグー!

さてそろそろ引き返すか。
広河原からの17時の最終バスに間に合うためには、北岳山荘に12時半までに戻らねば。

山頂でのラーメンは最高!!

右手前は北岳、真ん中奧は甲斐駒、左に仙丈ヶ岳

足下は真っ逆さまの崖
11時に間ノ岳を後にし、来た道を引き返す。
帰りは少し下りになるので、予定より早く、12時ちょい過ぎに北岳山荘に到着。
トイレを借りたのだが、ここのトイレすごい。何と、山小屋にして水洗トイレ。噂には聞いてたけど、びっくり。
置いていった俺のザックを回収し、水を補給し、12時半に北岳山荘を出発。16時に広河原着予定。
3000mの尾根ともこれでお別れだ。(T_T)
八本歯のコルまで来ると、バットレスがすぐそこに見える。
岩壁の方から声がするので、よーく見ると、アリのように小さい人が岩にしがみついてるのが見える。
ひょえ〜。600mのロッククライミングっすか〜。俺には一生できません。

八本歯を過ぎると、遥か眼下に目指す広河原が見える。羽があれば。。。(^^ゞ
ここから大樺沢をひたすら下る。

所々に架かる木道

向かいの山は鳳凰三山。その麓に向かう広河原

米粒大のロッククライマー

秋深まる岩壁バットレス
二俣には予定より30分遅れの15時過ぎに到着。何故かマップの所要タイムよりかなり遅いぞ。17時までに間に合うのか?
ここからは1時間半とのことだが。。。
最後の気合いを入れ、さらに下る。
足への負担は相当。これまでのどの山より一番きつかったよ。(+_+)

何とか、16時40分にバス停に到着。
もう足棒で、プルプルしてるよ。タフな相方もかなりへばってたね。
そして、後味の悪い結末へと。。。
何がって、山交(山梨交通)がっ!(-_-;)

  バスのチケットを買い、待ってると、係員のオッサンが「は〜い、乗って下さい。」 と指差す先にはたった1台だけ。
はぁ?今日は3連休中日だぞ。こんだけ客おるのにどない乗れっちゅうねん!!
ぎゅうぎゅうで、もうこれ以上乗れる隙間ない状態で、外には俺ら入れてまだ20人以上の人が。
物理的に無理なのに、相変わらずオッサン「乗ってください!」を繰り返すだけ。しかも、ガムクチャクチャしながら、ポケットに手突っ込んだまま。
カチーン。当然キレるわな。
「どない乗るねん!ドアホ!チケット売るってことは、人数把握してるんやろが。」と俺がキレると、それをはるか上回る頼もしいオジサン登場。
「もう1台呼べ。責任者出せ!山交の社長と知り合いやぞ。」
おー強い。俺らのヒーロー登場だー。(^o^)

ようやっと観念したのか、タクシー呼びます。とのこと。
結局、日が落ちて冷え込む中1時間も待ったよ。
しかも、タクシーの運転の荒いこと。
そのガムオヤジも何故か一緒に乗ってきて、頭のきっついポマード臭プンプンさせるから、また帰りも顔面蒼白になって酔ってしまいましたわ。(+_+)
隣見ると相方も顔色が悪い。やはり酔ったらしく、窓を開けてくれたので、臭は消え去り、大分楽になったよ。
行き帰りでこんなにしんどい目に合うなんて。。。もうしばらく南アルプスはいいや。
登山客をないがしろにしすぎやっちゅうねん。(-_-;)

2007.10.16 記

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